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なみだでる

なみだでる

先日 染抜きの会社をしている代表のお話しを聞きました

 

「染抜きはすればするほど赤字なんです」  とずばり   この業界の厳しさを語っておりました

 

きもののお手入れはご自分のもの以外にも譲り受けたものなどでよくお店に持ち込まれます   着ないひとが持ってこられるきもののうち、初めて箪笥をあけてみた  久しぶりに見た  という場合のほとんどがカビや汚れがついています

 

開店当初は、お客様の言われるとおりに見積もりをしていました  その金額に大概驚かれます   明らかに機嫌を悪くされる方も少なくありません  (ぼくもバッグ修理に出して見積もりがあまりに高くて言葉を失ったことがあります  そして止めました)

 

それがよく続いた時期があり、全体的に安く見積もりをしていくこともありました(特に2回目以降の方)  その際は悉皆屋さんにお願いしたり、彩蔵で負担をしていました  それがきものを着る頻度を増やすためのサービスだと思っておりましたので

 

しかし、悉皆屋さんの原状が悪化していることを知るようになりました  仕立てやお手入れをする職人さんは、ベテランで腕が良いひとであっても本当に厳しいのです

 

染み抜きになるとコイン大の汚れでも数千円かかることもあります  手作業によるので、それが小さな染みであってもそれを落とすまでに時間がかかります  そしてそれは職人さんの時間給に反映されていきます  長年の経歴を持つ職人さんの時給は学生さんのアルバイトとはまた違います  1時間700円というわけにはいかないのです

 

そしてお客様のものを預かるという責任とプレッシャーがあります  もし何かあったときに弁償が利かない  新品であればメーカーに再度作り直してもらうこともできる  だけど、お母様やおばあさまの思い出がつまったものはお金の問題ではありません

 

染抜きに失敗などあるのか という疑問もわきますが、経年劣化によって弱った生地は染抜きに耐えられないこともあります  それを見極めることも重要な職人の仕事になります

 

きものにまつわる仕事はどんどん減っています  作り手だけではなく、仕立て、染抜きなどのお手入れも同じ状況です  いまや既存の職人さんを守らなければいけない時代です  ですから、その方たちを守る料金をいただかなくてはいけない  それを知ったときお客様へ伝えることも変わってきました

 

時間があるときには職人さんの原状をお話しをして納得いただきますが、ほとんどはそこまでお話しできていません  「それを安くするのが企業努力でしょ」と言われたらそれまでなので説明することもすべてが正しいとはいえません   ですからやはり「高い」と思わてしまいます  それでも自信をもってそのお見積りをお伝えするようにしています

 

ただ、金額をお伝えする前に、少し高くなることやお直しに関わる事情をお聞きしながらご提案をするようにしました

 

「そのきものをご自分で着るのか」  「どのようなときに着るのか」  「今後どうしていきたいのか」  「金額がかかってもきれいにしたいものかどうか」  ひとに譲るのであれば寸法の問題も出てくるのですべてこちらでする必要がない場合もあります またお茶などで練習だけに着るのであれば、多少汚くてもよい など

 

お手入れをされるにはその事情があり、すべてきれいにしなくてもよい場合があります  少しの金額できれいになるならしたいけれどもそんなにかかるなら・・ という方が大半ですが、お母様の思い出が残っているからどうしてもきれいにしたい  という方は京都できれいにする場合もあります

 

予想よりも高くかかってしまうのがきもののお手入れですので購入するときや譲り受けた時には撥水ガードをおすすめしております  また、定期的に虫干しを行うことでカビ防止 点検もしておけば気づかなかった染みの発見にもつながります

 

そして何より、染みやカビを発見したらいち早くお持ちください  

 

さて、土曜日 教室の生徒さんがくださいました

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4周年記念のお祝い  嬉しいな~ 

Kさまありがとうございました  いつもきもので登場してくださってそれもまた嬉しいです

 

またほかの生徒さん  帰り際に「いつかここで揃えたいな と思っていたんです」 と言ってくださいました

これも嬉しいな~  

 

彩蔵はまだまだまだまだですが、5歳になったのでこれからも頑張ります

 

 

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