竹の繊維の着物への思い
「竹の繊維の着物」を成功させた西陣の帯屋の社長のお話です 今や竹の繊維の着物・帯で人気を博し、全国の有名百貨店や呉服専門店の催事開催など忙しい日々を過ごしていますが、ここまでくるのに簡単ではありませんでした
父、謙一さんから三代目を継ぐにあたって課題があった 祖父は西陣で糸屋を創業し、父親は西陣織の帯屋をはじめた 自分も何か新しいものを始めることが必要ではないか・・・
考えてもアイデアは見つからない そんな簡単に思いつくならだれもがやっているだろうし
ある日、西陣の仲間と飲みに行ったとき、竹で作られた器が目の前に出された 「竹ってなんんかいいよな」
このときにひらめいた
昔はおにぎりやチマキを包むのに殺菌作用がある竹の皮が使われ、箸も昔は竹がほとんどだった 周りを見回してみると、古来、日本人は竹を上手に生活の中にとりいれてきていたのである ましてや京都は竹に結び付きの深い場所である
竹について調べてみると 竹には放湿性・吸湿性・通気性などの特性があり、成長もはやい 地球環境にもやさしい素材なのである
そうだ! 竹を糸にできれば・・・
こんなに特性があって環境にやさしいのなら、着物がもっと着易く、愛されるものが作れるだろう 21世紀は地球環境を考えたモノづくりが必須である
工夫を重ねて遂にバンブー糸(竹の繊維の糸)が完成した そして絹糸とバンブー糸を混ぜて織り上げ、染めてみる
が、思った通りの色がでない 同じ色に染めても絹とバンブー糸では違う色に染めあがってしまうのである
本当に製品化することができるのだろうか