ベンツで焦った
先日のことです
展示会中で店内は混雑している午後、帯をコーディネートしてほしいと入店された方がいらっしゃいました。 上品で穏やかなご婦人。
「この着物にあわせたいの」という小紋はとても素敵な色、かつ上品ながらもポップな柄、思わず「あっこれ好き」という感じの着物でした。
スタッフがその着物を着付けして、メーカーさんと帯をコーディネートする。 外を見ると車が横づけ状態。 やばい! と思い「駐車場に入れてきましょうか?」と僕。 鍵を預かって外に出るとベンツではありませんか!
おう ベンツ。 ベンツです。 あのベンツ。 ドイツが国をあげて世界に誇るベンツ。 その存在感はベンツ以上でもなく以下でもなく、まさしくベンツ。 唯一無二!
車に乗り込む、エンジンをかける、後ろからベンツの右側を車がひっきりなし。 まずはこれがおさまるのを待とう。 何より安全にかすり傷ひとつ付けることなく、駐車するのが、僕の使命。
よしっ 後ろから来る車が一区切り、「行くぞ!」。
。。。。。。
シフトレバーが動かない。。
いつもの場所にレバーはある けど、びくともしない。 前後も左右も押しても引いても、動かない。 知ってるこういう時はマインドセット、考え方を変えるこれはパズルと一緒なんだよ。
昔のあの経験を思いだした。 20代の頃東京で上司に連れられて女性がいるお酒の席へ。 きれいな女性が「このライター火をつけることができる?」と挑発的に。 ”火がついたら何が起こるんだろう”と若い僕はどきどきしながらやったっけ。
時間は10秒。
いろいろ見たり触ったりしたけども
できない。。
当時の鈴木亜美さんに似たショートカットのとてもかわいい女性でした。 そしてその女性が今の僕の、
奥さんでも彼女でも、もちろんありません。
そのライターはある場所を押しながら着火ボタンを押すとつく仕組みでした。
その経験から、ベンツのシフトにもどこかにボタンがあるのか? 押しながら動かすのか? これはパズルなんだ。
それからチャレンジすること5分。 動かない。 このレバーってどうしたら動くのさ。
しまった。 スマホ持ってくればよかった。 説明書を見るのもいいし、僕と同じような人間も世にはたくさんいる、だから答えがあるはず。 頼まれて運転できない男ね。 もういい時間が経っているので、今更店に戻るわけにもいかない。 いけるけど、ダサイ。 トロいと思われちゃう。
どうしよ。 焦る。 ベンツの運転は初めてじゃなかったんだけどな。
頭が固いのかその他の方法が見つからない。 お客さんの車のいろいろなところを触るのも申し訳ないし。 そうこうしているとまた、後ろから車は来る。 おれはいつになったら発信できるんだ。
このままなら、「駐車取締りの緑のおじさん来るから乗ってて」と言われた子供じゃん。
後ろからの車がおさまったので、とりあえずウィンカー出そう。 と思ったら車が動く。 えっこれがシフトレバーだったの?
ウソでしょ トラックみたい、いやそれは左か、ベンツのシフトレバーは右にあるんですよ。 知ってました?
それから慎重に慎重に運転して駐車しました。 いやあ本当にベンツですね。 ベンツは予想を裏切らない!
今はもういつでも乗れるんで、ベンツのお客さんお待ちしてます。 逆ハンドルだけは勘弁ね♪
札幌でベンツの運転できる着物屋、着付け教室はきもの処 円山 彩蔵です♪ いやそんなことないか(笑