きものの裏地にこだわる
日曜日のこと 天気は悪いし寒いし今日はご来店少ないな と思っていました
お客様は少ない でも京都 福井から業者の方がご来店
たまにメーカーさん 問屋さんなど道外から営業に来られます ふつうは知り合いになれないようなところ 腰が低く謙虚です 以前のイメージだと、「うちが卸してあげてもいいよ」というような怖いところだろうな と思っていましたが、この業界不況の時代に生き残るのはやっぱりそういうところなんだな と感じます
飛び込みで来られる営業の方は、社長やかなり上の役職の場合が多く 自社の特色をしっかりと説明してくれます これだけものがあって、ネットで情報が流れている時代で、特色を教えてくれるのは勉強になりました 呉服は見た目と質感が重要で、触らないと理解が難しく、ネットで解説されていないことはまだまだあります
特色=こだわり ですが、そういうメーカーさんと積極的にお付き合いをさせてもらえるようにする これが、当店のコンセプト 「こだわり」です
当店がお付き合いをさせてもらっているこだわるメーカーに「浅見」があります こちらは八掛け・胴裏などの裏地、そして長襦袢の製造をしております 年に1度来てもらう度にその「こだわり」をお聞きできます
今回は居敷当てについてご提案をいただきました
居敷当てとは単衣のきものの裾の後身頃につける布です 主に縫い目が広がったり、裂けたりしないような補強として、また足が透けて見えないためにつけています
大概は居敷当てをつけますが、暑いからとつけない場合も稀にあります
浅見さんで昨年から試作でやられていたのが、麻の居敷当て 知る人ぞ知る あまり一般的ではなかったのですが、単衣には麻 これを定着させていこう という試みです
表地(きもの)が絹であった場合、麻でもよいのか という疑問が沸きますが、ふつうの居敷当ては羽二重という生地を用います これは平織という織り方で、ほとんどの表地とは異なった織り方です
同じ絹であっても織り方が違うのであれば、麻でもそうは変わらない という結果からの提案です
麻を使うことのメリットは、
・涼しい
・吸湿性に優れる
・速乾性がある
涼しいのは当然です 吸湿性はきものを着る上でとても重要です 汗をかいたら下着 → 長襦袢 → きものの裏 という順に浸透します それぞれで吸い取ってもらうことで表地が汗染みになることを防いでくれる それを早めに乾かすことももちろんです
麻のきものに限らず、絹で単衣を仕立てるときは、麻を試してみるのもひとつです 通常よりも少し高価ですが気になる方はぜひ
それでは珍しい織物が入りましたのでご紹介
結城紬に木版で更紗調に染めています
帯はたてよこ糸とも藤を使用した藤布の名古屋帯 藍染はコーデしやすく人気です
さて、週末からは西陣「おおば展」です
どの帯屋さんと比べても素敵なグリーン系の色を出される と思います
帯のイメージが変わる 洋服感覚の色合いを見ていただきたいです
5月19(土)~21(月)で開催しております
今回は「おおば×五嶋紐」の特性帯揚げもご用意しています 3日間限定です
詳しくは コチラ