これで痛くない 防寒草履
冬の着物ライフを支える「防寒草履」。これはもう、着物愛好家にとって欠かせない相棒。しかし、ここ数年、常連さんから寄せられるリクエストに頭を悩ませていました。
「社長、外反母趾でも履ける草履、ありませんか?」
「あの防寒草履、素敵だけど、私の足が拒否するんです…」
外反母趾の方たちの切実な声が増え、最初は「まあ、何とかなるでしょ」と軽く考えメーカーに聞いてみた。
ところが、ロットの問題、高い、時間が相当かかる、とどのメーカーも前向きではない。
なんとか、かんとかできるとこを見つけ、試作にまで漕ぎつけました。。。
試作による悩みの連続
「外反母趾用草履」と聞いて、多くの人は「ただ幅を広げればいいんじゃない?」と思うかもしれない。しかし、現実はそんな単純ではない。幅を広げすぎると、今度は足が固定されず歩きにくくなる。一方で、締め付けすぎると元の木阿弥だ。
そもそも、履きやすさとデザインは比例しにくい。 通常の草履もそうだけど、以前は台の巾が狭かった。 これはスタイリッシュでオシャレ。 でも指が落ちる。 小指が落ちる場合、薬指まで落ちることもある。
今のタイプは巾を広くして履きやすくしている。 このままだと台は俵のように大きくダサくなるのを、高くヒールのように工夫してオシャレに見せている。
防寒草履に話を戻すと、世に外反母趾用の物はない。 型から作るという流れになる。 そこに日数がかかる、そして試作品ができるまでさらに時間がかかる。
ようやく試作品ができる。 それを履いてみる。
「カパカパして履きにくい、足先の空間が多くて寒いかもしれない」
地元の職人さんをなんとか協力をお願いし、何度も試行錯誤を重ねた。さらに、外反母趾の方たちに試してもらいフィードバックを集めた結果、「外反母趾の痛みを軽減しつつ、防寒性もバッチリ」の理想の形が、ようやく見えてきた。
完成!外反母趾防寒草履
そしてついに完成した新商品!ポイントは3つ:
- 足の巾に寄り添う設計
- それぞれの足にあうように爪皮を柔らかく、高さを出す
- 歩きやすさを追求した絶妙なバランス
初めて店頭に並べた日、結構ドキドキものでした。 お客さんの反応が気になって、、、「社長、これいい!」「外反母趾用ってあるのね!」という声を聞いたとき、作ってよかった~ と。
最後に…外反母趾の皆さんへ
外反母趾に悩むお客様の声をきっかけに、こうした草履を作ることができたのは、皆さんのおかげです。冬の着物ライフが少しでも楽しく、そして足元から温かくなるよう、これからも頑張ります!
在庫は店頭で確認またはご連絡くださいね。