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作り手の気持ち

作り手の気持ち

今年一番の陽気  早く出勤し、ゆっくりと円山を散策して日差しを浴びて春を感じたい そう思いながら家で車のワイパーを替えていました

 

前を交換し後ろにとりかかる  逆方向につけてしまったことに気づき、取り外そうとするものの  できない  どうやってもできない  こういうのはある程度力を入れても大丈夫なように作られているんだ 日本車は頑丈で構造がしっかりしてる   ともう少し力を入れてみる

 

折れました

 

ワイパーではなく車側の元の方    やっちゃいました  バキッと折れました せめてワイパー側なら・・・  だから早め出勤を諦め、ディーラーに  意外に安く上がりそうで安心したものの、先日の函館出張のときに壊れた純正のジュースホルダーはその4倍の部品代でした  ジュースホルダーなのに

 

こんなことやっていますが、彩蔵は車の取り扱いもあります(もちろん店頭ではなく)  中古車販売もしております  ぼくは車いじることはないので安心してほしいです

 

この陽気のおかげで円山はとても気持ちがよいです  皆 上着を脱いで散歩しています  楽しそう  イタリアの街並みのようにオープンカフェがたくさん並ぶような街並みもいいかも  駐車場から店まで歩く間に「彩蔵さん お茶していきなよ」 「ではいつものよろしく」なんて掛け合いがあってもいいかも  ただぼくはお茶(コーヒー)を嗜好品というほど飲まないし、そんなに社交的ではないのでそういうカフェがたくさんあっても声を掛けられることもかけることもないだろう  

 

さて、きものにまつわるお話し を

 

きものはお客様が気に入られてお求めになられたあと、その場でお渡しすることはほとんどありません  仕立てがあります  無地ではない限り、柄が配置されているので、お店で形を作ってお見せしても全くその通りに出来上がることはほとんどありません

 

ですから鏡で試着したイメージとは若干違うようになります  ほとんどの場合は反物で見るよりもさらに良く上がったと言っていただけますが、それには仕立てをする職人さんのセンスも大きく影響します

 

訪問着や附下は、柄のくる位置が反物のみみに印(墨打ち)がついているのでそれは誰もが同じように仕立てをしますが、小紋や飛び柄の紬、横段のきものなどはまさにそれが関係します

 

作り手さんは出来上がったイメージを頭に描き、仕立てする方を信じて作るのです  実は今回もあるお客様のきもので仕立て方で何度かメーカーとやり取りをしてお時間をいただいてしまいました

 

こだわりのある作家さんには、一般的なものよりも少し手を加えたものを作りたい というプライドがあり、小紋でも柄の配置をイレギュラーにしてしまうなどもあります  ※小紋とは同じ柄の繰り返しでできた染めのきもののこと

 

今回、このきものの柄付けを見たときに前見頃がさみしいかもしれない と感じました  もしかして柄の出し方を変えたほうがよいのか、それとも柄を入れ忘れたのか と思いメーカーに問合せをしてみたのです

 

何度かやりとりをした後、やはり作家さんに聞くのが一番だということで、(売れっ子のため)忙しい作家さんになんとか確認してもらうことができましたら、柄が少ないのではなく帯をいかすための柄付けであることがわかりました  そして前身頃を抑えた分、袖を少し華やかにしている  ちゃんと考えがあって作られたものなのだ と

 

よく、「このきものはいくつまで着れますか?」 という質問をお客様から聞きますが、作家さんはそれを限定して物作りはしていない方がほとんどだそうです  少し派手かもしれないけれどもこれを好んで着てもらえる そんな人との出会いを楽しみに作るのだそうです  いくつになってもこれを大切に着たい そういうお客様を

 

そういう作家さんの気持ちをどれだけお客様にお伝えできるか それは小売店の仕事でもあります  逆に、着る用途や着られる年齢を限定してしまうのも小売店かもしれません  

 

それはこわいことですし、作家さんにもお客様にも申し訳のないことです だから、彩蔵ではメーカーに直接来てもらう企画を開催しております  通例であればこうだけど、メーカーの意見としてはこう  ということも度々ありますので 

 

今週末はその帯の作り手さんをお迎えします  彩蔵ではほぼ月に1度 さまざまなメーカーをおよびして企画をしていますが、帯のメーカーをお招きする頻度は少ないのです  しかもこれだけの一流の帯メーカーです

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お店は少しだけレイアウトしています

 

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いかにも「おおば」さんらしい定番から

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きれいな色目から

 

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カジュアルに活躍するものまで

 

見るだけでワクワクします  初代 大庭清三郎さんが高級振袖用帯を手掛け当時、その市場を数社で独占  その後は壁糸といわれる技法を袋帯に使ったことで大ヒットさせました  皇室や有名人にも愛用され、平成24年には染織部門では最高の京都府知事賞を受賞されるなど大変人気の帯メーカーです

 

今週末から23(土) 24(日) 25(月)には代表である大庭左由夫氏を迎え、彩蔵 初の「おおば」展を開催します  絶対に見ていただきたい帯です  名古屋帯も大量に送っていただいております

 

作り手の気持ちと一緒におおばの帯を感じてほしいです

 

 

 

 

 

 

 

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