70万本の目
お店には常時30~60本以上位は帯があります 袋帯が多く八寸名古屋帯 九寸名古屋帯など多種多彩です 2週に1度くらいは商品の入れ替えをしたとして今まで3600本~7200本位 プラス イベントのときに多い時は100本前後の帯がありますので総計1万本は見たことになる
とはいってもそれをすべて結んだことはないし すべて風合いを感じるまで触ったという自信もない
先日まで、関東の帯の専門の仕立て屋さんに来てもらっていました 社長は3代目ですが、会社を継いでから携わった帯はなんと70万本 西陣も博多も全国の小売店からの仕立てを請け負っているので扱ったことのない帯メーカーはないのでは? というほどです その帯に触れると帯芯のどれがあうか 結びやすいかどうか などすぐにわかるとのこと
帯の相談会 として3日間開催しましたが、とても勉強になることが多く有意義でした 実は帯の仕立ては単純で特に学ぶことはないかな と思っていたのですが全くそんなことはなく その奥深さに驚きました 今や海外でもきものの縫製を行う時代ですが、帯に限っては国内のみだそうです 芯を入れてかがるだけなのに? と普通は思ってしまいます
帯はメーカーやその種類によって長さがまちまちです Aというメーカーの袋帯でも 種類によって長さが違うこともあるし AとB社ではさらに 総柄 ・ 六通柄 ・ ポイント柄もあります その方の体型で柄が出るかどうかまで見ると複雑極まりないという
着姿は帯 きもの千両 帯万両 などの言葉の通り、帯の方が大切ですからちゃんとした仕立て屋さんに出したいものです
それとお手入れ 帯はお手入れをする必要がない と思われている方も多いのですがそんなことはなく・・・
これは数年経った帯の中に入っていた帯芯 真っ白のものが全体に黄色の斑点が広がっています これは帯を巻いたときの汗を吸収したもので、ずっと湿気をもっていたことによる黄変です
帯自体が濃い色ならわかりにくいのですが、薄い色のものなら黄色い点が出てくることも 大概は帯の表面の染み抜きになるのですが、根源の芯をどうにかしないとまたなってしまいます
そこで重要なのが芯の入れ替え 5~10年に一度はしておいたほうが良いそうです 特に、あまり結ばない方は注意が必要です
帯はある程度の長ささえあれば、きもののような寸法がない分、譲ることもできるので大切に管理しないといけません
帯の相談会は来年の春にも開催しますので楽しみにしておいてください きものや帯のお手入れ(洗い・染み抜き・寸法直し)は随時お店で受け付けております